18/04/15

都内の桜はすっかり花弁が散って葉桜になりましたが、新緑も艶やかで息吹を感じますね。
無事にDの15周年の名阪を終えることが出来たので、順を追って書いていきたいと思います。
遅くなりましたが、先日浅葱として人生初のワンマンツアーを無事に終えることができました。
音源制作に関わってくださったゲストミュージシャンの方々、サポートメンバー、並びに関わってくださった全ての関係者、そして何よりファンの皆様、本当にありがとうございました。
今まで経験してきたのはバンドとしてのツアーであり、ソロとしてはほぼライヴを行ったことがなかった中で決行したツアーでしたが、千秋楽を迎えるまでに様々な出来事があり、色んなことを含めて記憶に残る旅路となりました。
今回セットリストは事前にご報告した通り全箇所共通とし、アルバム「斑」のみで構成されたアンコールなしの舞台になりました。
Dでも音源は絶対この曲順がベストだという並びはあるのですが、他の楽曲も組み合わせるので、ツアーを通してアルバムの曲順通りでやったことはありません。
ソロとしては「Corvinus」や「Seventh Sense/屍の王者/アンプサイ」がありますが、「斑」と組み合わせることは何度考えてもその結論に至らなかったので、これらの楽曲を一緒に披露することはありませんでした。
勿論どの曲も自分の中でのベストとも言える作品ですが、組み合わせをひとつ間違えればその曲の持ち味を十分に発揮できず、活かしきれないわけです。
それでは元も子もないですからね。
謡を含めた全14曲という曲数でしたが、濃厚で緻密な世界を楽しんで頂けたという声を沢山聞かせてもらえたことが何より幸せに思います。
元々ソロを始めたきっかけはDでは出来なかったことを(当時のDはダウンチューニングはやらなかったので)を試験的に自分のソロでやろうという意味でスタートさせたのですが、結果的にDでもやるようになったので、その後10年はソロを行っていませんでした。
そして10年目に描きたくなった世界が「Seventh Sense/屍の王者/アンプサイ」でした。
この楽曲は時系列としてDの世界観へと分岐する曲なのですが、Dとソロの違いを決定的に裏付ける作品になりました。
それは何より世界観が孤独であるということ。
Dの曲にも孤独を描いた曲はありますが、大部分として仲間やパートナー、絆を強く用いたものが多いです。
その観点のまま、舞台を和にして描いたのが今回の「斑」でした。
斑の世界の住人も決して一人きりというわけではないのですが、どこか救われない部分を濃く打ち出しています。
それは幸福な結末ばかりが物語ではないのだということ。
個々に与えられた時には始まりがあり、終わりがあります。
幸せなだけの時間を過ごし、眠るように人生を終えられる人がどれほどいるでしょうか?
辛い人生の中で花開く一瞬の喜びは桜の儚さにも似ています。
舞台では短い時の中で自分の中の四季を描きながら、あらゆる感情を露にしました。
舞って歌いながら、沸々と湧き上がる世への喜怒哀楽、そして痛みを...
初日の新横浜から千秋楽まで、日を重ねるごとに良い意味で斑の世界に自分自身が侵食されていくのを感じました。
舞台に立って入り込むと、自分が何者であるのかなどという概念は自然と捨て去っているのかもしれません。
今までにない感触は自分だけでなく、スタッフ含め、周りの方々にも届いているようで、曲が変わる度に、自分自身が生み出した物語の人物に憑依されるようでした。
最後に歌った「アサギマダラ」では力を振り絞って想いを遂げ、千切れんばかりの翅は皆と共に空へと旅立てた気がしました。
この身はいずれ朽ち果てようとも、強い想いは永遠に生き続ける。
これは僕の中で一生変わらない気持ちだと思います。
斑の空とは各々異なる色や形をした皆の心が繋がった「心の空」であり、皆の記憶で生き続けることが、アサギマダラの遺した意思なのです。
本当の自分をさらけ出し、自由に空を飛び交うことができたこの一ヶ月半の旅、本当に貴重であり学びの時を過ごさせてもらいました。
浅葱ソロのライヴではライヴ終演後にCDやグッズ購入者対象でアウトストアイベントも行っていたのですが、うん年ぶりにライヴに来ましたという方や初めて来てくださったという方も多く、何か自分に興味を持ってくれたことが非常に嬉しかったです。
お初の方も最近興味をもってくれた方も、ずっと応援してくれている方も、皆ひとつの作品を通して斑の空を羽ばたいているんだなと思うと、とても嬉しくなりますね。
重ね重ね、心から深く感謝いたします。

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そして、サポートメンバーを務めてくれたHIDE-ZOU君、MiA君、亜季君、HIROKI君も本当によく頑張ってくれました。
個性的なゲストミュージシャンのプレイを尊重しつつ、僕が舞台で最大限披露しやすいように演奏してくれました。
HIDE-ZOU君、HIROKI君に関してはいつもDとしても一緒なわけですが、今回はサポートメンバーという立場を考慮して、いつもとはまた違う心強さを感じました。
正式メンバー以外でこんなにも一緒にライヴをしたのは亜季君、MiA君が初めてでしたが、音を通じて気持ちを通わせることの嬉しさを改めて考えさせてくれました。
このツアーは初めて経験することが多く、これだけ長く音楽活動をしていても初心に帰ることができた素晴らしいものでした。
あらゆる感情も経験もあってこそ、初めて殻を脱ぎ捨て、本当の自分らしさを出せるのだということも学びました。
実はツアー途中、持病が悪化し強い炎症が起きて救急病院にも行っていました。
点滴をしてもらったり、薬をずっと服用していたのですがリンパも腫れたりしたので、これ以上腫れた場合は就寝中に息が止まるかもしれないから、苦しくなったらすぐ救急車を呼んでくださいと言われて、数日前まで普通に暮らしていたのにも関わらず、人生は一瞬にして何が起こるかわからないものであり、命が奪われるきっかけは些細なものなのだと冷静に考えてしまいました。
他の人に感染しないものだったのが不幸中の幸いでしたが、ツアーを中止にするわけにもいかないので、解熱後も痛みを抑える為に多量の薬を飲んでいました。
一旦良くなって、しばらく経ってからまた悪化したので、ツアーの半数くらいは体温が下がりすぎ、終演後の握手の時、もしかしたら反応に覚束無さや、冷えた手で握手してしまうこともあったと思いますが、皆さんへの感謝の気持ちに嘘はありませんので、ご理解いただけたらと思います。
千秋楽の後にDのRECを控えていたのですが、そちらもなんとか無事に成し遂げ、やっと一段落ついたところです。
Dの周年も控え、感想もすぐに書きたかったのですが、中々叶わずごめんなさい。
今はようやくいつも通りに体調に戻ってきています。
15周年という大事な節目の年です。
旅を続けてきて得たものと失ったもの、その先に見えた景色。
これは「Night-ship"D"」に一度でも乗船した者だけが経験できます。
船への想い、自分が為すべき務め、深い絆。
ですが完全無欠の孤高の船だとしても、少しでもバランスを崩してしまえばいずれ必ず壊れもします。
本当に大切なものは何であるのか。
僕は「Night-ship"D"」という曲が生まれた日から、船長としてこの船がいつか死ぬ日まで命を共にするつもりです。
その意思は変わりません。
メンバー、スタッフ、ファンの皆さんが代わる代わる乗降し、どんな時も共に旅をし、また誰からもこよなく愛されてきた船です。
そしてその想いが真実であるならば、各々がどうするべきであるか。
もし船に危機が訪れたとしても、ひとりひとり、自分自身も船の一部であるという誇りを持って行動するべきなのです。
舵を切ることだけが重要なわけではありません。
一人一人の務めが、ひとつひとつの部品が船を創り上げています。
常にメンテナンスを行い、持ち場を守り、クルーの体調を含めた全てが整ってこそ最高の出航を行えるのだと思います。
「Night-ship"D"」は有機物ではありませんが様々な経験を経て、また人々の心の繋がりによって心が生まれたと言っても過言ではありません。
皆の夢を載せて旅立った船は今も我々を信じ、未来を見続けています。
真空状態の闇の世界、宇宙にも眩い光はたくさん存在します。
それらは自らの力で暗闇に抗う強さを感じずにはいられません。
生きるとは呼吸をし、自ら光を求めることなのだと教えてくれます。
一瞬の考え、行動が未来を大きく変えるのです。
不可能を可能にすることが容易ではなくとも、可能性がゼロではない限り戦い続けることがます。
個々が過ごしてきた過去に同じものはありません。
それぞれがそれぞれの掛け替えのない経験を経て、今を迎えました。
「Night-ship"D"」に乗船する者は皆、薔薇星雲のように真っ赤に輝く薔薇を胸に咲かせているはずです。
メンバー、ファン、関係者、皆が自身にとっての毎日が最高の旅となるには、それぞれの強い想いが必要です。
15周年を記念した東名阪ワンマンライヴも無事、名阪を終えることができました。
Dのライヴとしては今年、まだお正月のFC限定ライヴと先日の千聖さんのイベントしか行っていなかったので、とても久しぶりに感じました!
長年培ってきたDという存在。
衣装も新たに身を引き締め、改めて15年間を振り返ることができました。
Dの歴史の中で、本当に多くの人達が関わってくれたのだなと感じ、また今もこうして共に祝ってくれることの喜びは一入です。
Twitterに画像と詳細をアップしましたが、初日の名古屋に向けて赤い薔薇のコサージュを用意していました。
これは「Rosette Nebula」の歌詞にあるような、胸に咲くばら星雲のイメージです。
撮影時にメンバーは薔薇コサージュをつけておらず、僕はついていましたが黒薔薇のコサージュでした。
撮影が終わってから「Rosette Nebula」の歌詞が仕上がったこともあり、メンバーに内緒でこっそり用意して、ライヴの当日に皆の胸に飾ろうと思って用意したものです。
授与式の様子はこちら!
https://twitter.com/ASAGI_SOLO/status/984436308750708736
ちなみに僕のコサージュの薔薇の数は5つです。
数字としては7が好きですが、メンバーの数に揃えて5にしました!
ソロは自由だしアーティストとしても凄く大切なものだけれど、当然Dは特別な存在なので、何ものにも変えられない存在です。
音楽を続けていく中でソロとD、たとえ世界が繋がっていても表現する気持ちは異なります。
自分が歌うにあたって、そのバランスを上手くとることができれば、それが一番ベストなのかなとも思ったりします。
僕の歌は望んでくれる人に向けて歌っていますが、自分の真の心を歌えなければ歌うことを止めてしまうでしょう。
Dが15周年を迎えたということは、応援してくれている中でファンの皆さんの環境も随分と変化があったかと思います。
今が全てだと考える人もいるかもしれませんが、僕個人としては過去も今も未来も、そっと寄り添う形でこの先も共に歩んでいけたら嬉しいです。
さあ、残すところはFINALの品川だけになりました。
僕らの旅の未来図、この手で切り開いて進んで行こうと思います。

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